Foreign worker産廃・自動車リサイクル業

産業廃棄物収集運搬業および自動車リサイクル業における外国人材の活用について、現状の制度と今後の見通しについて説明します。

技能実習・特定技能での雇用可能性

現状の制度

まず、現行の「技能実習制度」および「特定技能制度」において、「産業廃棄物処理業」と「自動車リサイクル業」がどのように位置づけられているかをご説明します。

産業廃棄物処理業 現在、技能実習・特定技能のいずれの制度においても対象分野・職種に含まれていません。そのため、これらの在留資格で廃棄物の収集運搬や選別作業を目的として外国人を雇用することはできません。
自動車リサイクル業 こちらも、技能実習・特定技能のいずれの制度においても対象分野・職種として明確に定められていません。
ただし、特定技能には「自動車整備」分野が存在します。自動車の点検・修理といった整備作業が業務に含まれる場合は可能性がありますが、解体や部品取りが主業務となる場合は直接の対象とはなりにくいのが現状です。

産廃・自リ法との関連性

上記のとおり、産業廃棄物の収集運搬や自動車の解体・リサイクル作業は、残念ながら現行の技能実習制度や特定技能制度では直接の対象外となります。一部の事業者が「機械保全」や「工業包装」といった別の職種で技能実習生を受け入れている例もありますが、業務内容と在留資格の活動内容が一致しない場合、不適切と判断されるリスクを伴います。

【注意】不法就労助長罪

指定職種以外の仕事に従事させた場合、使用者には、不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が適用されます。 また技能実習の場合は、 技能実習法に基づく行政処分の対象にもなりますのでご注意ください。

育成就労制度(令和9年〜)での展望

現在の技能実習制度は廃止され、令和9年(2027年)から新たに「育成就労制度」が開始されます。この新制度は、人材育成と確保を目的とし、3年間の就労を通じて「特定技能1号」のレベルまで育成するキャリアパスを前提としています。

ポイント:育成就労制度の対象分野は、原則として「特定技能」の対象分野と一致します。

  • 産業廃棄物処理業の展望:
    人手不足が深刻であることから、政府は「特定技能」の対象に「廃棄物処理」分野を追加する方針を固めています。令和7年(2025年)末の閣議決定を経て、令和9年頃の受け入れ開始が見込まれています。これにより、育成就労制度においても産業廃棄物処理業を対象に含める方針です。
  • 自動車リサイクル業の展望:
    現時点では、自動車リサイクル業が特定技能や育成就労制度の対象となるかは不透明な状況です。後述の通り、業界団体が国への働きかけを強めており、今後の動向を注視する必要があります。

資源循環分野の分野別運用方針

特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」 第13回(2026年1月7日開催)では資源循環分野について下記のとおり方針が定められています。

育成就労

受入人数上限3,600 人(令和9年度から2年間)
業務区分主たる技能として廃棄物処分業(中間処理)
その上で、育成就労計画に沿って、3年間の育成就労期間を通じて当該主たる技能を修得するために必要な業務に一定時間計画的に従事させることにより、当該業務と関連する業務区分の範囲内の業務を経験させることと相まって、資源循環分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成

特定技能

受入人数上限1号特定技能:900 人(令和8年度から3年間)
業務区分廃棄物処分業(中間処理)
業務内容家庭からの排出及び事業活動に伴って排出される廃棄物の中間処理(廃棄物の減量化、減容化、安定化及び安全化)を行う業務   なお、これらの業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:破砕・中和・焼却等設備操作、燃え殻集約作業等)に付随的に従事することは差し支えない。

受入れ先

特定技能所属機関に対して特に課す条件、育成就労実施者に対して特に課す条件として受入れ先(特定技能所属機関、育成就労実施者)が次のいずれかに該当しなければなりません。
  1. 優良認定一般廃棄物処分業者 産廃処分業者
  2. 再生利用認定業者
  3. 広域的処理認定業者等
  4. 無害化処理認定業者
  5. 容器包装リサイクル法 認定特定事業者等
  6. 家電リサイクル法 リサイクル業者等
  7. 小型家電リサイクル法 認定事業者等
  8. プラスチック資源循環促進法  市町村から委託を受けてプラスチックの「一括回収」された資源物を再商品化する事業を行う事業者
  9. プラスチック資源循環促進法 再商品化事業者等
  10. プラスチック資源循環促進法 認定自主回収・再資源化事業者等
  11. プラスチック資源循環促進法 認定再資源化事業者
  12. 資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律 認定高度再資源化事業者

育成就労 受入イメージ


第5回特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議 令和7年7月7日(月)より

その他の在留資格による雇用の可能性

技能実習や特定技能といった現場作業を前提とする在留資格以外では、「技術・人文知識・国際業務」という選択肢が考えられます。ただし、この在留資格は専門的な知識を要する業務に従事する場合に限られ、単純労働は認められません。

分類 該当する可能性のある業務例
技術 ・リサイクル技術の研究開発
・処理プラントの設計、維持管理
人文知識 ・経理、総務、企画などの本社業務
国際業務 ・中古部品の輸出入、海外企業との取引
・外国人従業員の管理、通訳

大学で関連分野を専攻した者や、関連業務での実務経験を持つ者が上記のような業務に従事する場合に限り、許可の可能性があります。現場での選別や解体作業を主たる目的としてこの在留資格を取得することは困難です。

関連団体の動向

人手不足という共通の課題に対し、各業界団体は国に対して活発な働きかけを行っています。

  • 全国産業資源循環連合会(全産連)など:
    環境省と連携し、育成就労制度・特定技能制度の対象に「廃棄物処理」分野を追加するよう強く要請しています。事業者の受け入れ見込み数に関するアンケート調査を実施するなど、具体的なデータに基づいた活動を展開しています。
  • 日本自動車リサイクル機構(JAERA)など:
    令和7年7月には業界3団体が連名で、自動車解体作業を育成就労制度の対象とするよう国に要請書を提出しました。技能実習制度の対象職種認定を目指すプロジェクトチームを立ち上げるなど、制度活用の道を模索し続けています。

まとめ

産廃処分業・自リ法業務における外国人材の活用について、現状と今後の見通しは以下の通りです。

  1. 現状:技能実習・特定技能での現場作業員の直接雇用は困難。
  2. 将来(令和9年〜):産業廃棄物処理業については、育成就労制度・特定技能の対象となる方向で制度設計中です。今のうちから準備を進めることが望ましい。
  3. 自動車リサイクル業については、現時点では不透明だが、業界団体の活動により今後道が開かれる可能性があるため、継続的な情報収集が重要。
  4. その他:海外取引や専門職(開発、営業等)であれば、「技術・人文知識・国際業務」での雇用も選択肢となる。

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