arela自動車リサイクル法
自動車リサイクル法 事業者について
Act on Recycling of End-of-Life Automobiles説明
自動車リサイクル法の事業者に関してその役割と許可を受けるための要件の概要をご説明します。
自動車リサイクルに関する事業者の果たす役割は4種類あります。まず1つ目が引取り業になります。引取り業は自動車リサイクルシステムのサイクルに使用済自動車をエントリーする役割を持ちます。自動車の所有者からのリサイクル料金の預り状況を確認した上で、使用済自動車を引取り、フロン類回収業者、または解体業者に引き渡します。 2つ目はフロン類回収業者です。フロン類を基準に従って適正に回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡し、使用済み自動車を解体業者に引き渡します。
3つ目は解体業者です。使用済自動車を基準に従って適正に解体し、エアバッグ類を回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡します。 最後に、破砕業者です。使用済自動車から部品などを取り除いた解体自動車(廃車ガラ)の、破砕(プレス・せん断処理、シュレッディング)を基準に従って適正に行い、シュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る老廃物)を自動車メーカー・輸入業者へ引き渡します。
自動車リサイクル法の引取業、フロン類回収業、解体業、破砕業を行う場合は、都道府県知事または政令市市長への登録、または許可が必要になります。有効期間は5年となり、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失います。 また、公益財団法人 自動車リサイクル促進センターが運営する電子マニフェストのシステムである”自動車リサイクルシステム"に登録する必要があります。
これらの事業者が行う工程ごとに自動車リサイクルシステムへの引取り・引渡しの登録を行います。これにより使用済自動車を確実にもれなくリサイクルの工程にのせ、不適正処理や不法投棄を防ぐことができます。 自動車リサイクルシステムにより、リサイクル工程にのった使用済自動車は的確に次の工程へと引き渡されていきます。
自動車リサイクルシステムの最初の入口となる引取り業が引き取る、使用済自動車とは何でしょうか?使用済自動車とは、いわゆる廃車で、自動車のうち、その使用を終了したもの、とされています。使用とは、倉庫としての使用その他運行以外の用途を含みます。使用済自動車には、トラック、バスなどの大型車や特殊自動車も含みます。 ただし、例外として、非牽引車、二輪車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、農業機械、林業機械、スノーモービル等は含みません。二輪車は、同じく公益財団法人 自動車リサイクル促進センターが運営する”二輪車リサイクルシステム”に沿ってリサイクルされます。
使用済自動車を適切・的確にリサイクルするには、そのエントリーポイントとなる使用済自動車を正しく取り扱うことが重要になります。部品取りなどのために、使用を終えた自動車を、中古自動車と称して引き取ることは違法となります。自動車を解体し部品などを取る場合は、自動車リサイクル法の登録・許可が必要になります。
自動車リサイクル法の目的は、有用資源の再利用と、不法投棄と不適正処理の防止です。そのためのコストを自動車ユーザやメーカー、事業者などそれぞれが負担しています。使用済自動車を正しく取り扱い、リサイクルの工程にのせ処理することが、有用資源の再利用と、不法投棄と不適正処理の防止につながります。
解体業、破砕業は許可制となるため、一定の要件を満たさないと、業を行う許可がおりません。許可の条件には、”業を的確、継続して行うに足りる基準を満たすことが、その施設と、申請者の能力それぞれに必要です。これらの基準は業ごとに主務省令で定める基準で定められます。 例として、施設に関して解体業の場合、解体作業場の床面は鉄筋コンクリートで舗装され又はこれと同等以上の効果を有する措置が講じられていること 等の基準があります。
破砕業の場合は破砕施設が廃棄物処理法15 条1項に規定する産業廃棄物処理施設である場合には、この規定による許可を受けている施設であること 等の基準があります。 また、役員などが欠格要件に該当しないことも必要となります。欠格要件とは、法に従った適正な業の遂行を期待し得ない者を排除することを目的として定められた条件です。申請内容等に虚偽があったり、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合、心身の故障により適正に業務を行うことができない場合など法に規定されています。 また法の目的である廃棄物の適正処理及び有効資源の有効な利用を確保するために守るべき基準も存在します。 廃棄物処理法に基づく廃棄物の適正な処理や、資源を再利用する場合のルールなどが規定されています。
登録制である、引取り業、フロン類回収業にも、欠格要件や基準不適合などで登録を拒否されることがありますので注意が必要です。自動車リサイクル法は、廃棄物処理法の特別法と位置づけられます。特別法とは人や場所、事柄、行為など、特定の対象に適用される法律で、その対象に広く適用される一般法に優先して適用されます。使用済自動車は廃棄物ですので、廃棄物処理法が一般法と、自動車リサイクル法が特別法として適用されます。
使用済自動車の収集運搬や処分には特別法の自動車リサイクル法が適用されます。使用済自動車や解体自動車の収集運搬、保管、処分には自動車リサイクル法の規定に従います。自動車リサイクル法の許可は必要ですが産業廃棄物処理法の許可は必要ありません。
しかし、使用済自動車や解体自動車から出た産業廃棄物は産業廃棄物処理法が適用されますので、リサイクルされない部品や廃棄油廃液、バッテリーなどは産業廃棄物処理法上の許可を持つ業者に委託して運搬・処分等を行う必要があります。再利用可能な部品や素材などの有価物は、産業廃棄物法の範囲外となりますので、有価物に関しては収集運搬、処分などにあたって直接適用される基準はありません。有価物か廃棄物にあたるかは、取引対価のほか、物の性状や排出の状況、通常の取扱い形態、引取り価値の有無、占有者の意思などを総合的に判断されますのでご注意ください。