Act on Waste Management and Public Cleaning廃掃法改正
令和8年廃掃法改正のポイント
2026年4月現在、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の改正案が検討されており、令和8年4月10日(金)に閣議決定されました。第221回国会に提出される予定です。環境省 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定について
今回の法改正では持続可能な社会の実現と環境保全の強化を目指していますが、事業者にとって大きなトピックは使用済み金属・プラスチック物品を扱う事業(いわゆる「スクラップヤード」)に対し、全国一律の許可制が導入されることです。本稿では、その主要な検討ポイントと関連する動向についてまとめます。
不適正なスクラップヤードへの規制強化
近年、不適正な管理が行われているスクラップヤードが環境問題(騒音、悪臭、土壌汚染、火災など)を引き起こし、また有価な金属資源の海外流出の温床となっていることが指摘されています。これに対し、改正案では、屋外で金属やプラスチックなどの使用済み物品を保管する事業者に対して許可制度を導入し、規制を強化する方針です。法の目的(第1条)には、要適正再生使用済金属・プラスチック物品等が追加されます。スクラップヤードへの規制強化で無許可営業、無確認輸出等の違反には、廃棄物と同等の罰則が適用されます。
- 許可制度には、施設の基準や構造、申請者の過去の法令違反歴、適切な運営能力の評価などが含まれる見込みです。
- 既存の廃棄物処理業許可と同様に、検査、勧告、命令(是正・事業停止)、行政処分などが導入され、不適正な事業者の排除と国内資源の適正な循環を促進します。
- 既存の廃棄物処理業者や各種リサイクル法の認可事業者には、新たな負担とならないよう、許可みなし制度が新設される予定です。
- 公布日から2年6か月以内に政令で定める日に施行される見込みです。

PCB廃棄物の適正処理
ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法も改正の対象となっています。高濃度PCB廃棄物の処理はJESCO(日本環境安全事業株式会社)によってほぼ完了していますが、低濃度PCB含有製品の適切な管理が新たな課題となっています。
- 高濃度PCB廃棄物については、発見者に対し一定期間内の処分を義務付け、認定された民間処理施設での処理を恒久的に行うこととし、期限規定は廃止されます。
- 低濃度PCB含有製品については、その管理状況や処分見込みを把握するための届出制度が導入されます。
- PCB廃棄物に関する基本計画は、廃掃法の基本方針に統合される予定です。
経済安全保障の観点から国内資源循環強化
世界的な資源競争の激化や、中国による重要鉱物の輸出規制、EUによる電子スクラップ輸出規制強化などを背景に、経済安全保障の観点から国内の資源循環強化が喫緊の課題となっています。改正案では、リサイクル可能な資源の海外流出を抑制し、国内での強固なリサイクルサプライチェーンを構築することを目指します。
- 金属リサイクルの推進、リサイクル拠点の整備・ネットワーク化への投資が図られます。
- 動的・静的な連携による産業競争力の強化、循環資源の海外流出抑制、再生材の需要拡大などが戦略として挙げられています。
災害廃棄物に対する取り扱い
大規模な自然災害が頻発する中で、災害廃棄物の迅速かつ適正な処理体制の強化が求められています。現状の課題として、市町村における人材・専門知識の不足、災害廃棄物処理計画の質の課題、民間施設の活用における手続き上の制約などがあります。
- 平時・災害時を問わず支援を行う常設の専門支援機能(組織)の制度化が検討されています。
- 災害廃棄物処理計画の一般廃棄物処理計画への統合、災害廃棄物処理計画及び支援協定の制度化が進められます。
- 災害時の再委託要件の緩和や民間施設活用の手続き簡素化など、災害時特例手続きの拡充が図られます。
- 災害時の受け入れを確保するため、民間最終処分場の認定制度も創設されます。

まとめ
今回の廃掃法改正案は、不適正処理の防止、資源循環の促進、災害対応能力の強化という多岐にわたる課題に対応し、より持続可能で強靭な廃棄物処理・資源循環システムを構築することを目指しています。これらの改正は、2026年1月および2027年4月に一部施行される予定の施行規則の改正と合わせて、日本の廃棄物管理に大きな影響を与えるものと見られます。