標準作業書(SOM)の解説

2026.06.23
標準作業書SOM解体業破砕業

標準作業書(Standard Operation Manuals、SOM)は、自動車リサイクル法に基づき、解体業者および破砕業者が作成・常備しなければならない重要な書類です。今回は、その内容について詳しくご説明します。

解体業の標準作業書

解体業の標準作業書には、以下の11項目を記載する必要があります。

No.項目
1フローチャート(処理の流れ)
2事業場の配置図
3使用済自動車の運搬の方法(自社車両/委託)
4使用済み自動車の保管(保管場所の明確化/保管方法)
5廃油及び廃液の回収、事業所からの流出の防止及び保管の方法
6油水分離槽及びためます等の管理の方法
7使用済自動車又は解体自動車の解体の方法、廃棄物の処理の方法、部品等の保管の方法
8解体業の用に供する施設の保守点検の方法
9火災予防上の措置
10解体自動車の保管の方法
11解体自動車の運搬の方法

必要な9項目の要件

標準作業書には、以下の9項目をすべて盛り込まなければなりません。

  1. 使用済自動車及び解体自動車の保管の方法
  2. 廃油及び廃液の回収、事業所からの流出の防止及び保管の方法
  3. 使用済自動車又は解体自動車の解体の方法(指定回収物品及び鉛蓄電池等の回収の方法を含む)
  4. 油水分離装置及びためます等の管理の方法(これらを設置する場合に限る)
  5. 使用済自動車又は解体自動車の解体に伴って生じる廃棄物の処理方法
  6. 使用済自動車又は解体自動車から分離した部品、材料その他の有用なものの保管の方法
  7. 使用済自動車又は解体自動車の運搬の方法
  8. 解体業の用に供する施設の保守点検の方法
  9. 火災予防上の措置

使用済自動車の運搬の方法

自社車両による運搬

使用済自動車の運搬を行うときは、廃棄物処理法に定める収集・運搬の基準に適合した適正な運搬を行います。他者に運搬を委託する場合には、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集・運搬業の許可を有する者に委託する必要があります。

事故車など、廃油・廃液の漏出が著しいものについては、積込み場所において廃油・廃液の抜き取り作業を行い、運搬中の漏出事故の防止を図ります。

収集運搬基準

  1. 廃棄物が飛散、流出しないようにすること
  2. 収集・運搬に伴う悪臭、騒音又は振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること
  3. 運搬車、運搬容器は、廃棄物が飛散・流出、又は悪臭が漏れるおそれのないものであること

廃油及び廃液の管理

消防法に基づく石油類の区分

区分引火点指定数量
第一石油類21℃以下200リットルガソリン等
第二石油類21~70℃1,000リットル軽油等
第三石油類70~200℃2,000リットル重油等
第四石油類200℃以上6,000リットルギヤ油、潤滑油等

降雨前対策

屋根がない場合は、降雨のない日時にあらかじめ燃料や廃油・廃液を抜き取っておき、降雨時の解体作業に備えます。降雨時には、燃料、廃油、廃液等は抜き取らず、車の引取りや部品の整理等他の業務を行います。

部品等の保管の方法

部品の保管は専用ラックへの配架が望ましいです。部品どうしを積み重ねると破損し、残留廃油・廃液の漏出の原因となるため注意が必要です。ラック以外では、鋼製ボックスワイヤーボックスを使用する方法もあります。

火災予防上の措置

危険物への対応

ガソリン、軽油、エンジンオイル等の危険物は、扱っている数量に関係なく消防法及び市町村の火災予防条例の規制を受けます。数量に応じて消防法による許可取得や条例による届出が必要です。

燃料許可が必要届出が必要
ガソリン200リットル以上40~200リットル
軽油1,000リットル以上200~1,000リットル
廃油6,000リットル以上1,200~6,000リットル

高圧ガス保安法・労働安全衛生法への対応

解体業や破砕業において溶断を行う場合は、可燃性ガス(アセチレン、プロパン等)と酸素を溶断機として使用します。アセチレン溶接装置を用いた溶断作業では、作業主任者を選任する必要があります。

破砕業の標準作業書

破砕業の標準作業書には、解体業と同様に11項目の記載が必要です。特に破砕前処理の方法(圧縮やせん断)や、自動車破砕残さの保管方法などが追加されます。

まとめ

標準作業書は、自動車リサイクル法に基づく許可取得のための必須書類であり、日常業務の適正化にも欠かせないものです。解体業者・破砕業者の皆様は、ガイドラインを参考に適切な標準作業書を作成・常備し、従業員への周知を徹底することが大切です。また、内容に変更があった場合は速やかに更新し、常に最新の状態に保つようにしましょう。

参考情報