標準作業書(Standard Operation Manuals、SOM)は、自動車リサイクル法に基づき、解体業者および破砕業者が作成・常備しなければならない重要な書類です。今回は、その内容について詳しくご説明します。
解体業の標準作業書には、以下の11項目を記載する必要があります。
| No. | 項目 |
|---|---|
| 1 | フローチャート(処理の流れ) |
| 2 | 事業場の配置図 |
| 3 | 使用済自動車の運搬の方法(自社車両/委託) |
| 4 | 使用済み自動車の保管(保管場所の明確化/保管方法) |
| 5 | 廃油及び廃液の回収、事業所からの流出の防止及び保管の方法 |
| 6 | 油水分離槽及びためます等の管理の方法 |
| 7 | 使用済自動車又は解体自動車の解体の方法、廃棄物の処理の方法、部品等の保管の方法 |
| 8 | 解体業の用に供する施設の保守点検の方法 |
| 9 | 火災予防上の措置 |
| 10 | 解体自動車の保管の方法 |
| 11 | 解体自動車の運搬の方法 |
標準作業書には、以下の9項目をすべて盛り込まなければなりません。
使用済自動車の運搬を行うときは、廃棄物処理法に定める収集・運搬の基準に適合した適正な運搬を行います。他者に運搬を委託する場合には、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集・運搬業の許可を有する者に委託する必要があります。
事故車など、廃油・廃液の漏出が著しいものについては、積込み場所において廃油・廃液の抜き取り作業を行い、運搬中の漏出事故の防止を図ります。
収集運搬基準
| 区分 | 引火点 | 指定数量 | 例 |
|---|---|---|---|
| 第一石油類 | 21℃以下 | 200リットル | ガソリン等 |
| 第二石油類 | 21~70℃ | 1,000リットル | 軽油等 |
| 第三石油類 | 70~200℃ | 2,000リットル | 重油等 |
| 第四石油類 | 200℃以上 | 6,000リットル | ギヤ油、潤滑油等 |
屋根がない場合は、降雨のない日時にあらかじめ燃料や廃油・廃液を抜き取っておき、降雨時の解体作業に備えます。降雨時には、燃料、廃油、廃液等は抜き取らず、車の引取りや部品の整理等他の業務を行います。
部品の保管は専用ラックへの配架が望ましいです。部品どうしを積み重ねると破損し、残留廃油・廃液の漏出の原因となるため注意が必要です。ラック以外では、鋼製ボックスやワイヤーボックスを使用する方法もあります。
ガソリン、軽油、エンジンオイル等の危険物は、扱っている数量に関係なく消防法及び市町村の火災予防条例の規制を受けます。数量に応じて消防法による許可取得や条例による届出が必要です。
| 燃料 | 許可が必要 | 届出が必要 |
|---|---|---|
| ガソリン | 200リットル以上 | 40~200リットル |
| 軽油 | 1,000リットル以上 | 200~1,000リットル |
| 廃油 | 6,000リットル以上 | 1,200~6,000リットル |
解体業や破砕業において溶断を行う場合は、可燃性ガス(アセチレン、プロパン等)と酸素を溶断機として使用します。アセチレン溶接装置を用いた溶断作業では、作業主任者を選任する必要があります。
破砕業の標準作業書には、解体業と同様に11項目の記載が必要です。特に破砕前処理の方法(圧縮やせん断)や、自動車破砕残さの保管方法などが追加されます。
標準作業書は、自動車リサイクル法に基づく許可取得のための必須書類であり、日常業務の適正化にも欠かせないものです。解体業者・破砕業者の皆様は、ガイドラインを参考に適切な標準作業書を作成・常備し、従業員への周知を徹底することが大切です。また、内容に変更があった場合は速やかに更新し、常に最新の状態に保つようにしましょう。
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