こんにちは!行政書士の視点から、今回は 廃棄物処理委託基準と許可証 についてわかりやすくお話ししていきます。
廃棄物の処理を仕事にしたいと思ったら、原則として都道府県などの許可が必要です。でも「許可証って何を見ればいいの?」「種類が多くてよくわからない…」という方も多いはず。この記事を読めば、許可証の読み方の基礎がバッチリ身につきますよ。
廃棄物処理業の許可は、大きく分けて以下の4種類に分類されます。
| 普通産業廃棄物 | 特別管理産業廃棄物 | |
|---|---|---|
| 収集運搬業 | 産業廃棄物収集運搬業許可 | 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可 |
| 処分業 | 産業廃棄物処分業許可 | 特別管理産業廃棄物処分業許可 |
それぞれの許可ごとに、処理できる廃棄物の種類や1日に受け入れられる能力などが細かく定められています。
許可証を受け取ったら、まずは次のポイントを確認しましょう。
| 許可番号 | 産廃情報ネット(さんぱいくん)などで処理業者を検索するときに使います。固有の番号でサクッと検索できます。 |
|---|---|
| 許可の種類 | 上で紹介した4種類のうち、どの許可なのかをチェック。 |
| 許可自治体 | 処分を委託するときは、処分施設がある都道府県の許可が必要。収集運搬の場合は、積み込み場所と目的地の両方の許可が必要になります。 |
| 有効期限 | 基本は 5年間。優良産廃処理業者の認定を受けると 7年間 になります。 |
| 処理できる廃棄物の種類 | 全20種類。自社が扱う廃棄物が含まれているか要確認です。 |
| 条件 | 自治体によって「〜を除く」「〜を含む」といった条件が付くことがあります。 |
許可番号は次のような構成になっています。
| A | B | C | D | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 |
| A | 都道府県・政令市の番号(001〜047が都道府県、050〜が政令市) |
|---|---|
| B | 業の種類を示す番号 |
| C | 自治体が自由に使える番号 |
| D | 固有番号(1社につき1つの番号。処分と運搬など、別の許可証でも同じ番号) |
Bの部分を見れば、その許可証が何の業種かひと目でわかります。
| 産業廃棄物収集運搬業 | 積替えを含まない | 0 |
|---|---|---|
| 積替えを含む | 1 | |
| 産業廃棄物処分業 | 中間処分のみ | 2 |
| 最終処分のみ | 3 | |
| 中間処分+最終処分 | 4 | |
| 特別管理産業廃棄物収集運搬業 | 積替えを含まない | 5 |
| 積替えを含む | 6 | |
| 特別管理産業廃棄物処分業 | 中間処分のみ | 7 |
| 最終処分のみ | 8 | |
| 中間処分+最終処分 | 9 |
ちなみに、固有番号(D)は1つの会社に対してずっと同じ番号が使われます。つまり「東京都の収集運搬許可」と「大阪府の処分許可」で、同じ固有番号が出てくるんですね。
こんな感じで、自治体によって細かい条件がつくことがあります。しっかり確認しておきましょう。
許可の更新ってけっこう時間がかかるもの。なんと 約60日 も見ておく必要があります。
とはいえ、法律でこんな救済措置が用意されています。
つまり、有効期限内に更新申請していれば、許可証の交付が遅れても問題なし。受理印が押された更新申請書の表紙の写しを保管しておけばOKです。
産業廃棄物の収集運搬を委託するときは、積み込む場所(排出事業場)と運ぶ目的地(処分施設など)の両方の許可証を確認する必要があります。
H22年の改正で少し合理化されました。今では都道府県の許可を取れば、その区域内の政令市でも収集運搬が可能に。ただし、政令市内で積替保管をする場合は、その政令市の許可が別途必要です。
ちなみに、処理業の許可を管轄する自治体は 129自治体(R3.4現在)。結構たくさんありますね。
こんなケースだと許可がもらえなかったり、取り消しになったりします。
| 心身の故障 で業務を適切に行えない |
| 破産者 で復権を得ていない |
| 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年経っていない |
| 暴力団が事業を支配している |
| 禁錮刑以上 の執行終了後5年経っていない(執行猶予付きでも該当!) |
| 廃棄物処理法などの違反で 罰金刑 の執行終了後5年経っていない |
| 許可を取り消されてから5年経っていない |
| 取消処分の通知を受けてから廃業届を出し、それから5年経っていない |
ポイント: 禁錮刑は執行猶予付きでも欠格要件に該当します。罰金刑も対象になる法律がたくさんあるので注意が必要です。
罰金刑の対象となる法律(抜粋):
そして、1つの自治体から許可取消を受けると、持っているすべての許可が取り消し になります。これは本当に深刻です…。
| 年間許可件数(R4.1) | 約23万件(特別管理含む) |
|---|---|
| 年間取消件数(R2) | 250件(うち理由明確なもの186件) |
H22年から始まったこの制度、認定されると 許可の有効期限が5年→7年に延びる という嬉しい特典があります。
認定を受けるための主な条件はこちら。
| 遵法性 | 過去5年間(または許可の有効期間)に特定不利益処分を受けていないこと |
|---|---|
| 透明性 | 会社情報や許可内容、処理状況などをインターネットで継続公開していること |
| 環境配慮 | ISO14001やエコアクション21などの認証を取得していること |
| 電子マニフェスト | 電子マニフェストシステムに加入し利用可能であること |
| 財務の健全性 | 自己資本比率が0以上、かつ直前3年の経常利益平均が0超え、税・社保の滞納なし |
結構ハードルは高いですが、認定されれば許可証に優良マークがついて信頼度アップ!
R3年に出された行政処分の指針では、排出事業者の処理責任が改めて強調されました。
つまり、信頼できる処理業者かどうかは、最終的に排出事業者自身が見極める必要がある ということ。日頃から業者の状況を確認する習慣をつけましょう。
支店長や営業所長など、法人の業務執行権限を委任された使用人も欠格要件の対象になります。
たとえば使用人が個人的に飲酒運転をしてしまったら…それだけで会社の許可に影響が出る可能性も。役員や出資者の選定も含めて、本当に慎重な対応が求められます。
行政処分の指針では、以下のようなケースは「経理的基礎を有しない」と判断されます。
いかがでしたか?許可証の読み方をマスターして、適正な廃棄物処理につなげていきましょう。