マニフェスト制度ってなに?しくみと運用ルールを徹底解説

2026.06.23 廃棄物処理法 マニフェスト 行政書士

こんにちは!前回は委託契約についてお話ししましたが、今回は マニフェスト制度(産業廃棄物管理票制度) について詳しく解説していきます。

「マニフェストって何のためにあるの?」「どんなルールで運用すればいいの?」という疑問をお持ちの方、ぜひ最後までご覧ください。

マニフェスト制度の目的と歴史

マニフェスト制度は、産業廃棄物が排出されてから最終処分されるまでの一連の流れを 情報伝達処理の進捗確認 によって管理するための制度です。

制度の歴史を振り返ると、以下のように段階的に拡充されてきました。

H2年厚生省による指導としてスタート
H4年特別管理産業廃棄物に使用義務化
H10年すべての産業廃棄物に使用義務化/電子マニフェスト導入
H13年E票により最終処分完了までの確認が法定化
H29年特別管理産業廃棄物の多量排出事業者に電子マニフェスト義務化(R2〜)

マニフェストに関する4つの義務

排出事業者には、マニフェストに関して次の4つの義務があります。しっかり押さえておきましょう。

1交付義務産業廃棄物を受託者に引き渡す際に、種類や数量等を記載したマニフェストを交付しなければならない
2措置義務処理終了報告が法令の期間内にない場合、処理状況を把握し適切な措置を講じなければならない
3保存義務交付したマニフェストおよび処理終了報告を受けたものは 5年間 保存しなければならない
4報告義務排出事業場ごとに、毎年6月までに前年度分のマニフェスト情報を報告しなければならない

交付のルール(通知より)

環廃産第110317001号(H23.3.17)より主なポイント

① 運搬車ごとに交付 が原則。ただし、複数の運搬車に対して同時に引き渡し、かつ運搬先が同一の場合は、1回の引き渡しとしてまとめて交付しても差し支えありません。

② 集荷場所の提供者(ビル管理者や農業協同組合など)が、排出事業者に代わってマニフェスト交付の事務を行っても構いません。ただし処理責任はあくまで個々の事業者にあり、委託契約は事業者名義で別途行う必要があります。

③ 種類ごとに交付 が原則。ただしシュレッダーダストのように発生段階から一体不可分の状態で混合している場合は、1つの種類として交付してOKです。

④ 1台の運搬車でも運搬先が複数の場合は、運搬先ごとに交付 が必要です。

⑤ 法定様式(規則様式第2号の15)によらない書面は 不交付と判断 されます。

マニフェストの運用の流れ

マニフェストは、公益社団法人全国産業資源循環連合会が定めるカーボン紙7枚綴りの伝票が基本です(建設系は別途、建設6団体の様式があります)。

それでは、各伝票の役割と流れを順番に見ていきましょう。

1. 廃棄物の引き渡し

排出事業者は、産業廃棄物の引き渡しと同時に、収集運搬業者にマニフェストを交付します。収集運搬業者はA票に受け取りの署名をし、A票は排出事業者の控えとしてその場で返されます。

2. 運搬終了

収集運搬業者は廃棄物と6枚の伝票を処分施設まで運搬します。処分業者が受け取り署名をし、B1票とB2票を収集運搬業者に返します。

3. 処分終了

処分業者は処分終了後、以下のように伝票を処理します。

4. 二次委託・最終処分

中間処理後の残渣をさらに委託する場合(二次委託)、中間処理業者が排出事業者と同じように委託契約とマニフェスト(二次マニフェスト)を交付します。最終処分が終了すると、最終処分業者から処分業者へ E票 が届きます。

5. 最終処分終了の確認

処分業者は二次マニフェストのE票を確認したうえで、一次マニフェストの E票 に必要事項を記載し、最終処分を確認した日から10日以内に排出事業者へ送付します。排出事業者はE票を受け取って最終処分の完了を確認し、保存します。

チェックポイント
E票を受け取ったら、最終処分終了日や最終処分の場所が契約書と異なっていないか必ず確認しましょう。

A票・B2票・D票・E票の記載事項

A票(排出事業者が記載)

A票は排出事業者が記載義務を負う伝票で、以下の10項目を記入します。

1交付年月日と交付番号
2マニフェスト交付担当者の氏名
3排出事業者の氏名又は名称と住所
4排出事業場の名称と所在地
5産業廃棄物の種類と数量
6石綿含有廃棄物・水銀使用製品廃棄物等が含まれる場合はその旨及び数量
7産業廃棄物の荷姿
8最終処分を行う場所の所在地
9運搬又は処分を委託した者の氏名と住所
10運搬先事業場の名称と所在地(積替保管の場合はその所在地)

B2票(収集運搬業者が記載)

A票の内容に加えて、次の事項を記載します。

D票(処分業者が記載)

A票の内容に加えて、次の事項を記載します。

E票(処分業者が記載)

最終処分の完了を報告する伝票で、次の事項を記載します。

保存期間と管理ルール

排出事業者の手元に残る4枚の伝票には、それぞれ保存期間が定められています。

伝票保存期間起算日
A票5年交付した日
B2票5年送付を受けた日
D票5年送付を受けた日
E票5年送付を受けた日

期限チェック表

伝票送付期限最終確認期限
B2票運搬終了日から 10日以内交付日から 90日以内(特別管理:60日以内)
D票処分終了日から 10日以内交付日から 90日以内(特別管理:60日以内)
E票最終処分確認日から 10日以内交付日から 180日以内

期限までに送付がない場合

各伝票が期限内に届かない場合は、排出事業者が 措置内容用報告書 を都道府県知事に提出する必要があります。日頃から伝票の返却状況をしっかり管理しておきましょう。

管理票交付等状況報告書

マニフェストを交付した排出事業者は、年に1度、交付状況について都道府県または政令市に報告書を提出しなければなりません(法第12条の3第7号)。

数量を㎥で記載している場合は、換算係数を用いてトン(t)に換算して報告します。

電子マニフェスト(JWNET)

電子マニフェストは、紙のマニフェストで行っていた情報伝達と処理状況の確認を、情報処理センターのシステム上で行う仕組みです。令和2年時点で 電子化率は65%超 となっています。

メリット

義務化の対象

平成29年の法改正により、前々年度の特別管理産業廃棄物の発生量が年間50トン以上の事業場は、電子マニフェストの使用が義務化されました(令和2年度〜)。

登録期限

引き渡し日およびそれぞれの処理終了日から 3日以内 に登録します。この3日間には、土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)は含みません。

料金プラン

A料金B料金C料金(団体)
基本料(年)26,400円1,980円110円
使用料(1件)11円90件まで無料/91件から22円5件まで無料/6件から22円
目安2,401件以上2,400件以下

加入単位は法人単位である必要はなく、事業場単位でもOKです。各事業場で個別に料金プランを選択できます。

電子マニフェストと受渡確認票

電子マニフェストを運用する場合、運搬時に携帯する書面として 受渡確認票 が必要です。法定書式はなく、予約登録機能を利用して印刷する方法と、独自様式を使う方法があります。

受渡確認票には以下の書面を併せて携帯する必要があります。

マニフェスト未交付の産業廃棄物は引受禁止

2010年の改正で、マニフェストが交付されていない産業廃棄物の引受禁止 が定められました。

「排出事業者がマニフェストを用意してくれないから、廃棄物だけ先に回収しよう」という対応をとると、処理業者が刑事罰の対象となる可能性があります。廃棄物処理法上の罰金は 欠格要件に該当 し、すべての許可が取り消しになりかねません。絶対にやめましょう。

まとめ

いかがでしたか?マニフェスト制度は一見複雑に見えますが、一つひとつのルールを理解すれば決して難しくありません。適正な廃棄物処理のため、しっかり運用していきましょう。

参考:環境省「産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)」H23.3.17 / JWNET(公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター)
本記事は2026年6月時点の情報に基づきます。