処理基準 〜 処分の方法や基準について

2026.06.23
処理基準 中間処理 最終処分 技術管理者

産業廃棄物処分施設の設置

産業廃棄物処理施設設置許可(施設許可、15条許可)とは、一定規模以上の処分施設を設置する際に必要となる許可で、業許可とは別のものです。設置する施設ごとに必要であり、施設とは処分場全体ではなく、破砕機や焼却炉といった個々の設備を指します。処分業者に限らず、排出事業者が自ら廃棄物の処分を行う場合でも、条件に該当する場合は必要です。

使用前検査

設置許可を取得後、使用前検査申請をし、使用前検査で施設に問題がないと都道府県から判断されない限り、その施設を使用することができません。

特定処理施設

特定処理施設とは、事故発生後の対応に関する措置命令の対象となる施設です。

一般廃棄物処理施設法第8条の施設設置許可の対象施設すべて
産業廃棄物処理施設法第15条の施設設置許可の対象施設すべて
焼却設備が設けられている処理施設1時間あたりの処理能力50kg以上、又は火床面積0.5㎡以上
熱分解設備、乾燥設備等1日あたりの処理能力1t以上
廃油の蒸留設備等1日あたりの処理能力1㎡以上

例えば、木くず焼却施設の場合、設置許可は「1時間あたり200kg以上」又は「火格子面積2㎡以上」ですが、設置許可が不要でも特定処理施設に該当する場合があり、その場合は事故発生時に応急措置や都道府県知事への届出義務が生じます。

中間処理施設

廃棄物の無害化、減容化などを図るために、脱水、焼却、破砕などの処分を行うことを中間処理といいます。施設の大きさや能力によって設置許可の要否が異なります。

令第7条処理施設の種類規模
1汚泥の脱水施設10m³/日を超えるもの
2汚泥の乾燥施設10m³/日を超えるもの
3汚泥の焼却施設5m³/日超、又は200kg/時間以上、又は火格子面積2㎡以上
4廃油の油水分離施設10m³/日を超えるもの
5廃油の焼却施設1m³/日超、又は200kg/時間以上、又は火格子面積2㎡以上
6廃酸又は廃アルカリの中和施設50m³/日を超えるもの
7廃プラスチック類の破砕施設5t/日を超えるもの
8廃プラスチック類の焼却施設100kg/日超、又は火格子面積2㎡以上
8の2木くず又はがれき類の破砕施設5t/日を超えるもの
9有害物質を含む汚泥のコンクリート固型化施設すべての施設
10水銀又はその化合物を含む汚泥のばい焼施設すべての施設
11汚泥、廃酸又は廃アルカリのシアン化合物分解施設すべての施設
11の2廃石綿等の溶融施設すべての施設
12廃PCB等の焼却施設すべての施設
12の2廃PCB等の分解施設すべての施設
13PCB汚染物等の洗浄施設すべての施設
13の2産業廃棄物の焼却施設(上記以外)200kg/時間以上、又は火格子面積2㎡以上

最終処分

最終処分には3種類の処分場があります。

種別説明規模
遮断型最終処分場一定の基準に適合しない有害な産業廃棄物を埋め立てるため、コンクリート壁によって遮断された処分場すべての施設
安定型最終処分場有害物や有機物が付着しておらず、雨水等にさらされても性状が変化しない「安定型産業廃棄物」のみを埋め立てる素掘りの処分場すべての施設(水面埋立地除く)
管理型最終処分場上記以外の汚泥、燃え殻、木くず等有機物を含むものを埋め立てる処分場。遮水工や浸出液処理施設が必要すべての施設

技術管理者

技術管理者とは、施設許可が必要な処理施設において、その廃棄物処理施設の維持管理に関する技術上の業務を担当する者です。学歴や実務経験に応じて資格要件が定められています。

資格実務経験
技術士(化学部門、水道部門、衛生工学部門)-
技術士(上記以外の部門)1年以上
2年以上環境衛生指導員の職にあった者-
大学で理学・薬学・工学又は農学の衛生工学又は化学工学を修めて卒業2年以上
大学で理学・薬学・工学・農学(上記以外)を修了3年以上
短期大学・高専で理学・薬学・工学・農学の衛生工学と化学工学を修了4年以上
短期大学・高専で理学・薬学・工学・農学(上記以外)を修了5年以上
高校で土木科・化学科等を修了6年以上
高校で理学・工学・農学等を修了7年以上
上記以外10年以上

一般財団法人日本環境衛生センターによる講習を修了し、合格することでも技術管理者となることができます。

施設設置フロー

[図: 施設設置フロー]

最終処分場、焼却施設、PCB処理施設、廃石綿等の溶融施設が環境アセスメント(生活環境影響調査)の対象となります。一定規模以上の処理施設では、環境影響評価法に基づく環境アセスメントが必要です。業許可は、施設設置許可を受けた後に産業廃棄物処分業の許可を取得する流れになります。

中間処理の方法

処分とは、廃棄物を物理的、化学的又は生化学的な手段によって形態、外観、内容等について変化させることであり、減量・減容化、安定化、無害化する行為をいいます。中間処理は、廃棄物の最終処分(再生含む)に進む前の中間工程における処分です。

中間処理方法対象となる主な産業廃棄物の種類
焼却木くず、紙くず、廃プラスチック類、廃油等
破砕木くず、紙くず、廃プラスチック類、がれき類等
圧縮紙くず、廃プラスチック類、金属くず等
選別混合廃棄物
中和廃酸、廃アルカリ等
脱水汚泥等
溶融金属くず、医療系廃棄物、石綿等
[図: 中間処理のフロー図]

焼却

廃棄物を燃やして縮減する中間処理です。昭和58年に焼却炉の灰からダイオキシンが検出されて以降、規制が強化され、平成12年にはダイオキシン類対策特別措置法が制定されました。焼却後の残さは燃え殻やばいじんとなります。サーマルリサイクル(熱回収)として焼却で発生する熱を再利用することもあります。

破砕

産業廃棄物を破砕することで減容することを目的とする中間処理です。破砕後の残さは、その性状により有価物として売却されるほか、焼却処理や埋立処理されることが一般的です。木くず破砕後の木質チップはバイオマス燃料や建材のパーチクルボードの材料などに利用されます。

圧縮

産業廃棄物を圧縮することで減容することを目的とする中間処理です。廃プラスチックや紙くずは比重が小さく、金属くずは隙間が多いため輸送効率が悪いことから、圧縮によって比重を大きくし、荷姿を整え、輸送効率を上げます。ただし、都道府県によっては圧縮処理単独での業許可を出さないところもあります。

選別

混合廃棄物を分別することで種類ごとに仕分ける行為です。手選別と機械選別があります。都道府県によっては中間処理とは認めていないところが多く、認める場合でもふるいや磁石、風力を使った分離など、機械と手分別の組み合わせで認められることが一般的です。

中和

廃酸、廃アルカリを中和剤でpH調整することで安定・無害化する中間処理です。中間処理後は廃液となります。

脱水

汚泥等から水分を分離する中間処理です。中間処理後の汚泥(脱水ケーキ)は、堆肥化や埋立処分などの二次処分に回されます。分離された汚水は微生物処理などを行い、下水や河川等へ放流されます。

溶融

熱を使って産業廃棄物を溶かすことで減容化することを目的とする中間処理です。廃プラスチック類などは比較的低温での溶融が可能ですが、1,300℃以上の高温でほぼすべての廃棄物を溶融する方法もあります。残さは溶融スラグ(路盤材等)や溶融メタル(金属原料)として利用されます。高温で無害化するため、廃石綿等の特別管理産業廃棄物の処理方法としても用いられます。

RFP化

RFP(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)は、主に産業廃棄物である廃プラスチック類、紙くず、木くず等を原料にした固形燃料です。破砕して異物を取り除いた原料に熱を加えることでプラスチックが溶けて成型されます。サーマルリサイクルに該当します。

中間処理のための保管上限

中間処理施設の保管上限は、基本として処理施設の1日当たりの処理能力の14倍(14日分の処理量)です。ただし、運搬船や定期点検時等、大量の保管が必要な場合には緩和措置があります。

区分保管上限
基本数量処理能力(1日あたり)× 14
特例措置運搬船(積載量が基本数量を超える場合)積載量+基本数量/2
定期点検等(7日超の場合)処理能力×点検日数+基本数量/2
廃プラスチック類の優良産業廃棄物処理業者処理能力×28
建設業に係る産業廃棄物木くず・コンクリート破片処理能力×28(最大49)
アスファルト・コンクリート破片処理能力×70(最大91)
豪雪地帯の廃タイヤ(11月〜3月)処理能力×60
使用済自動車高さ上限を超えない保管数量

埋立処分の方法

最終処分には埋立処分と海洋投入処分(ロンドン条約により原則禁止)があります。最終処分場は埋立処分を行う場所です。

安定型最終処分場

有害物質や有機物等が付着しておらず、雨水等にさらされても性状がほとんど変化しない安定型産業廃棄物のみを埋立処分可能な施設です。

[図: 安定型最終処分場の構造]

安定型産業廃棄物(5品目)

  1. 廃プラスチック類
  2. がれき類
  3. ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず
  4. 金属くず
  5. ゴムくず

これら5種類のみを混合したものを安定型混合廃棄物といいます。安定型産業廃棄物以外の廃棄物の混入又は付着するおそれのないように必要な措置を講じなければなりません。

管理型最終処分場

管理型最終処分場は、有害物質の濃度が基準以下の燃え殻、汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ等を埋め立てることができる施設です。安定型最終処分場で埋め立てることができる産業廃棄物も処分できます。

[図: 管理型最終処分場の構造]

保有水や埋立地内に浸透した地表水、有機物等が分解される際のガスが発生するため、ガス抜き装置、遮水工、浸出液処理施設などの汚染防止施設の設置が義務付けられています。

遮断型最終処分場

遮断型最終処分場は、有害な金属等を含む産業廃棄物の中で、安定型や管理型の埋立基準に適合しないものを埋め立てるための施設です。有害な廃棄物を自然から隔離するため、強固なコンクリート構造物で作られ、全国で23施設のみと限られています。

[図: 遮断型最終処分場の構造]

まとめ

産業廃棄物の処分に関する基準は、中間処理・最終処分の区分や施設の種類・規模によって細かく定められています。処理施設の設置には許可が必要な場合が多く、技術管理者の配置も求められます。それぞれの廃棄物の性状に適した処理方法を選択し、法令に従った適正処理を心がけましょう。

参考情報