積替保管とは
積替保管には保管基準ではなく「処理基準」が適用されます。これは「一旦持ち出した限りは、いずれは適正に処分されなければならない。その途中で保管しているということは、収集運搬の一過程」という考え方に基づきます。
積替え保管は事業の範囲に含まれ、逸脱した場合は無許可変更(変更届では足りない)となり、第25条違反(不法投棄等と同じ)に該当します。搬出量の7日分は、「前月の搬出実績の7日分」で計算します。
福岡市の指導指針(収集運搬・積替え保管)
福岡市では「産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の積替え保管施設に係る指導指針」が定められています。積替え保管施設とは、積み降し、手選別、保管、積み出しに係る施設をいい、積替え保管場とは、積替え保管施設を設置した敷地全体をいいます。
構造等の基準
1. 囲い等
| 1 | 積替え保管場の周囲には、みだりに人が立ち入らないように囲いを設けること |
| 2 | 囲いは積替え保管場の全周囲に設けること |
| 3 | 囲いの構造は、地盤面から原則として1.8m以上の高さとし、風雨に容易に破損しない構造とすること |
| 4 | 出入口には施錠ができる門扉を設けること |
2. 表示
| 1 | 入口の見やすい箇所に積替え保管場であることの表示をすること |
3. 積替え保管施設
| 1 | 床は原則としてコンクリート構造等の不透水性材料で築造又は被覆すること |
| 2 | ガラスくず等(廃石膏ボード・石綿含有を除く)及びがれき類(石綿含有を除く)以外の産業廃棄物の積替え保管は建物内とすること |
| 3 | 建物の構造は雨水の浸入しない構造とすること。悪臭や揮発性のあるものは原則密閉構造とし、脱臭・除害設備を設けること |
| 4 | 2種類以上を保管する場合は種類毎に仕切を設け、保管場所を明確に区分すること |
| 5 | 品目ごとに保管できるよう仕切り壁等を3方向以上に設けること(液状のものを除く) |
| 6 | 仕切り壁等はコンクリート構造等とし、構造上安全であること |
| 7 | 汚水が発生する場合は、外部に漏れない構造とすること |
| 8 | 液状の産業廃棄物(汚泥、廃油を含む)の施設は、ドラム缶は原則3段以上積み重ねないこと、貯槽による混合は同一排出事業者で同一性状に限る等の基準あり |
| 9 | 感染性産業廃棄物の施設は、保冷・冷蔵設備、消毒設備、他の廃棄物との区画が必要 |
| 10 | 廃石綿等については、別途指導指針による |
| 11 | 上記のほか、市長が必要と認めた設備を有すること |
4. 環境保全対策
| 1 | 大気汚染防止のため、大気汚染防止法に定める基準に適合する設備を設けること |
| 2 | 粉じん飛散防止のため、散水設備、防塵カバー等の措置 |
| 3 | 排水放流時は、必要な排水処理設備を設けること |
| 4 | 騒音防止のため、低騒音型重機の使用や遮音壁等の措置 |
| 5 | 振動防止のため、低振動型機器の使用や防振対策 |
| 6 | 悪臭防止のため、脱臭装置等の設備 |
| 7 | 場内の緑化を積極的に行うこと |
5. 雨水等の流出入防止措置
| 1 | 外部からの雨水等流入防止のため、開渠その他の設備を設けること |
| 2 | 場内に降った雨水で廃棄物に接したものは汚水として取扱い、沈殿槽・油水分離槽等で適正に処理すること |
| 3 | 雨水・汚水・生活排水等は適正処理後、河川等又は公共下水道等へ接続すること。汚水は直接地下浸透させないこと |
6. 洗車設備等
| 1 | 必要に応じ、車両に付着した泥等を落とす設備を設けること |
| 2 | 必要に応じ、火災報知器、避雷針、安全柵等を設置すること |
7. 消火設備
| 1 | 保管する廃棄物の種類に応じ、適切な消火設備を設けること |
8. その他
| 1 | 必要に応じて安全標識、個人保護具等を設置すること |
まとめ
積替保管施設は、収集運搬の一過程として処理基準が適用されます。構造基準(囲い・表示・不透水性床・建物内保管等)、環境保全対策、雨水流出防止、消火設備など、多岐にわたる基準を満たす必要があります。福岡市の指導指針は全国的な参考にもなりますので、積替保管施設を設置・運営する際は、各自治体の基準を確認しましょう。
参考情報
- 福岡市「産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の積替え保管施設に係る指導指針」
- 廃棄物処理法(第25条等)