雑品スクラップ等の規制 ― 廃棄物処理法で扱う廃棄物以外の規定

2026.06.23

はじめに

廃棄物処理法では、廃棄物以外の「有価物」についても一定の規制を設けています。特に、雑品スクラップと呼ばれる使用済み電子機器類については、近年その取扱いが問題となり、法改正が行われました。今回は、雑品スクラップを中心に、廃棄物処理法における有価物の取扱いについてご説明します。

雑品スクラップをめぐる問題

一部の不心得者が、廃棄物処理法やバーゼル法を逃れるために、雑品スクラップを「有価物」と主張する事案が頻発しています。その結果、輸出先の港で火災の原因となったり、輸入国の審査を通らずに送り返される「シップバック」事案が発生しています。

平成24年3月19日には、関電リサイクル品について「買い取られている場合でも、それ以降の処理が野放図に扱われているような場合は、廃棄物とみなす」旨の通知が出されました。また、家電リサイクル法対象物以外の「雑品」については、有価物か廃棄物かの判断が不明確であるという課題があります。

平成29年法改正 ― 雑品スクラップの保管届出義務

雑品スクラップとは、資源として売却できる価値のある使用済みの電子機器類(廃棄物ではないもの)を指します。廃棄物処理法では、初めて廃棄物以外の有価物に関する取扱いの規制が創設されました。

ただし、中古品であって本来の用途としての使用ができる「製品リユース品」は雑品スクラップには該当せず、中古品市場等で再使用されることになります。また、外形上もとの32品目の機器と判別できることや、テレビ・エアコンのリモコンやACアダプタ等の附属品は該当することとされています。

有害使用済機器

「有害使用済機器」とは、使用を終了し収集された機器(廃棄物を除く)のうち、その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいいます。

【参考:法第17条の2】
有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者は、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。その届け出た事項を変更しようとするときも同様です。

施行令では、32品目が指定されています。内訳は、家電リサイクル法対象の4品目(エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機、テレビ)に加え、小型家電リサイクル法対象の28品目です。業開始の10日前までに都道府県知事への届出が必要です。

届出義務者

有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者が対象となります。ただし、以下の場合は対象外です。

保管基準と処分方法

環境省告示により、産業廃棄物の保管基準と同等の基準を遵守することが求められます。特に火災とその延焼防止の観点が重視されています。

区分主な内容
保管基準最大の保管高さ:5m
保管面積の単位:200㎡ごと、その離隔:2m以上
処分方法鉄等の金属類やガラス類を分離・回収するなど資源として再生する方法に加え、水銀等の安定化・回収、砒素等の有害物質の安定化・回収、フロン類の回収など、機器に含まれる有害物質を適切に処理する必要があります。

排出事業者が保管する有害使用済機器は届出の対象にはなりません。また、有価物の売却先となる施設に対し、排出側が届出の有無や保管基準の遵守をチェックする義務はありません。

まとめ

雑品スクラップの取扱いについては、平成29年の法改正により廃棄物以外の有価物として初めて規制が創設されました。有害使用済機器に該当する場合は、都道府県知事への届出や保管基準の遵守が義務付けられます。廃棄物処理法の適用を逃れるために「有価物」と偽装する行為には厳正な対応が求められています。

参考情報
環境省通知「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について」(平成24年3月19日)
廃棄物処理法 第17条の2(有害使用済機器)
環境省告示第10号(平成30年3月12日)