金属スクラップヤード(再生資源物の屋外保管場所)について、近年、各自治体で規制条例が相次いで制定されています。スクラップヤードの不適切な運営による生活環境の悪化や火災、騒音等の問題が深刻化していることが背景にあります。今回は、スクラップヤードの定義と各自治体の条例についてご説明します。
スクラップヤードとは、「再生資源物」の屋外保管場所を指します。解体した建物や使用済みの工業製品などから再資源化のため回収された金属や木材、ゴム、ガラス、コンクリート、プラスチックなどや、その混合物が対象となります。
ヤードとは、周囲を鉄壁等で囲まれた作業所等であって、海外への輸出等を目的として、自動車等の解体、コンテナ詰め等の作業に使用していると認められる施設を指します(平成23年版警察白書より)。
ヤードに関する条例は、千葉県と茨城県が令和6年4月に全国で初めて施行しました。その後、全国各地で規制が拡大しています。
| 自治体 | 規制方式 | 施行日 |
|---|---|---|
| 神奈川県綾瀬市 | 届出制 | 2019.7.1 |
| 千葉市 | 許可制 | 2021.11.1 |
| 茨木県境町 | 許可制 | 2021.12.8 |
| 千葉県袖ケ浦市 | 許可制 | 2023.4.1 |
| さいたま市 | 許可制 | 2024.2.1 |
| 千葉県 | 許可制 | 2024.4.1 |
| 茨木県 | 許可制 | 2024.4.1 |
| 埼玉県越谷市 | 許可制 | 2024.7.1 |
全国初の許可制を導入しました。敷地面積が100㎡を超える屋外保管事業場を設置しようとする者は、市長の許可を受けなければなりません。保管基準や立地基準への適合、周辺住民への説明会の開催などが義務付けられています。
川口市は全国で最も在日外国人が住む自治体で、資材置き場の実質的な経営者や従業員も外国人が多く、その大半がトルコ国籍のクルド人です。市内の解体工事業者は255社に上り、7割が中東系となっています。同市では「資材置場の設置等の規制に関する条例」を制定し、資材置場の定義や要件を明確にしています。
【資材置場の定義】
屋外において資材を堆積し、又は保管するために利用する土地。ただし、面積が500㎡未満の場合は適用除外となります。
各県で自動車ヤードに関する条例も制定されています。
金属スクラップヤードを運営する際は、各自治体の条例を事前に確認し、必要な許可申請や住民説明会の実施、保管基準の遵守など、適切な対応を取ることが重要です。規制は全国的に拡大傾向にあり、今後も新たな条例が制定される可能性があります。
参考情報
地方自治研究機構「自動車ヤード・スクラップヤード・資材置場条例」
千葉県、埼玉県、福島県等各自治体の条例
川口市資材置場の設置等の規制に関する条例
警察庁「金属盗対策に関する検討会」