令和7年法律第75号として成立した金属盗対策法は、深刻化する金属盗難に対処するため、特定金属くずの買受業者に対する規制や犯行用具の規制を導入するものです。令和7年6月13日成立、6月20日公布されました。
金属盗の認知件数は急増しており、令和5年には16,276件(令和3年の2倍以上)、令和6年には令和2年の4倍に達しています。特に銅の被害額は約97億7,900万円(令和5年)で、金属盗難被害額全体の約7割を占めています。令和6年の金属盗被害額は約140億円以上に上ります。
古物に該当しない金属くずの買取りについては、17道府県の金属くず条例を除き規制がなく、条例未制定の自治体では本人確認なしで金属くずが売却できるなど、盗品の売却が容易な状況が問題視されていました。
銅及び政令で定める金属を「特定金属くず」とし、その買受業を営む場合、都道府県公安委員会への届出が義務付けられます。届出違反は、6カ月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に該当します。
特定金属くずの買受け時には相手方の本人確認が義務付けられ、本人確認事項等に関する記録の作成・保存が必要です。また、買受けに係る相手方の氏名、内容等に関する取引記録の作成・保存も義務付けられます。
買受けに係る特定金属くずが盗品に由来するものである疑いがあると認めたときは、警察への申告義務があります。
ケーブルカッター等のうち、犯行使用のおそれが大きい工具について、正当な理由なき隠匿携帯が禁止されます(罰則あり)。
特定金属くずの定義
銅及び政令で定める金属により構成されている金属くずであって、当該金属を使用して製造された物品の窃取を防止する必要性が高いもの。
金属盗対策法は、金属くずの買取市場における透明性を高め、盗品の流通を防止することを目的としています。特定金属くずの買受業者は、都道府県公安委員会への届出、本人確認、記録保存、警察への申告などの義務を負います。また、ケーブルカッター等の工具についても新たな規制が導入されます。罰則も設けられており、違反には厳しい措置が取られます。
参考情報
盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(令和7年法律第75号)
警察庁「金属盗対策に関する検討会」
第177回国会(常会)提出