廃棄物処理法の目的・改正内容をわかりやすく解説

2026.06.23
廃棄物処理法 目的 改正 歴史

今回は、廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の目的と、これまでの主な改正内容についてご説明します。

廃棄物処理法の目的

廃棄物処理法は、昭和45年の公害国会において制定されました。それ以前は昭和29年制定の「清掃法」がありましたが、これは主に市街地における汚物処理が中心で、住民の居住環境を清潔に保ち公衆衛生の向上を図るものでした。

第一条(目的)

この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

廃棄物処理法では、廃棄物を一般廃棄物産業廃棄物に大別しているのが大きな特徴です。一般廃棄物の処理責任は市町村にありますが、事業活動によって生じた廃棄物については、一般廃棄物・産業廃棄物とも事業者に処理責任があるとされています。

法制定の経緯

S29清掃法住民の居住環境を清潔に保ち公衆衛生の向上を図る。市街地における汚物処理が中心
S45廃棄物処理法廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に大別。一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は事業者に処理責任。不法投棄罪:5万円以下の罰金

主な改正の歴史

不正処理の発覚、不法投棄の社会問題化、ダイオキシンやアスベスト等の有害性が新たに判明した物質への対応など、社会情勢に応じて何度も改正が行われてきました。

S51一定規模の最終処分場の届出制度の開始、処理施設の技術上の基準を創設、産業廃棄物の最終処分場の3分類化(遮断型・管理型・安定型)、処理業の許可基準を整備、不法投棄罪を3ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金に強化
H3処理施設の届出制から許可制へ、産業廃棄物処理業許可を収集運搬業と処理業に区分・5年更新制度、特別管理産業廃棄物の区分創設、マニフェスト制度を特別管理産業廃棄物に導入
H6シュレッダーダスト等について安定型最終処分場への埋立を禁止
H9マニフェストの運用義務をすべての産業廃棄物の処理委託に義務化、電子マニフェストの創設、不法投棄罪:3年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金に強化、法人両罰規定:1億円以下の罰金
H12多量排出事業者の処理計画策定・提出の義務化、マニフェストE票の追加、不法投棄罪:5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金に強化
H13動物系固形不用物を産業廃棄物に追加、委託契約書の保存期間5年を義務化
H15環境大臣広域認定制度の創設、不法投棄・不法焼却に対する未遂罪の創設
H16産業廃棄物運搬車両の側面表示義務、処理業者の優良性評価制度の創設
H17マニフェスト記載項目の追加、保存義務化、罰則強化
H18廃石綿・石綿含有産業廃棄物の処理基準改正
H19事業系一般廃棄物の木くず区分見直し(パレットが産業廃棄物に)
H22建設工事の元請け業者が排出事業者となることを明確化、産業廃棄物の事業場外保管の事前届出制度創設、優良処理業者の更新期間特例、法人両罰規定を3億円に引き上げ
H29水銀含有廃棄物の区分創設、電子マニフェストの一部義務化(R2年度〜)、雑品スクラップの保管届出義務化、マニフェスト罰則を1年以上の懲役又は100万円以下の罰金に倍化

法律・施行令・施行規則の関係

この他に、告示や通知・通達もあります。

まとめ

廃棄物処理法は、昭和45年の制定以来、社会の変化や新たな環境問題に対応するために何度も改正されてきました。不法投棄に対する罰則も年々強化されており、現在では5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下)となっています。廃棄物を適正に処理するためには、法の目的と改正の経緯を理解しておくことが重要です。

参考情報

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)