廃棄物処理における立場と責務を解説

2026.06.23
廃棄物処理法 責務 事業者 国・地方公共団体

今回は、廃棄物処理法における国・地方公共団体、そして事業者の立場と責務についてご説明します。国内において生じた廃棄物は、なるべく国内において適切に処理されなければなりません(法第2条の2)。

国・地方公共団体の責務

国の責務(第4条第3項)

  1. 廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図ること
  2. 国内における廃棄物の適切な処理に支障が生じないように適切な措置を講ずること
  3. 自治体に対し、必要な技術及び財政的援助を与えること
  4. 上記について広域的な見地からの調整を行うこと

廃棄物処理施設整備計画は5年ごとに環境大臣が作成し、廃棄物の排出抑制や適正処理に関する基本方針を定めています。

地方公共団体の責務(第4条第1項、2項)

  1. 市町村は、区域内の一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めること
  2. 一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たっては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等、能率的な運営に努めること
  3. 都道府県は、市町村に対し必要な技術的援助を与えることに努めること
  4. 都道府県は、区域内の産業廃棄物の状況を把握し、適正な処理が行われるように必要な措置を講ずることに努めること

都道府県廃棄物処理計画は国の基本方針に則して策定・公表されます。市町村はこの計画に従って、区域内の一般廃棄物を収集運搬し処分しなければなりません(法第6条の2第1項)。

一般廃棄物の処理責任=市町村ということです。

都道府県又は政令市の役割

都道府県又は政令市は、廃棄物の処理計画を策定し、適正な処理の確保のために排出事業者や処理事業者に対して指導行政処分を行います。また、廃棄物処理法に係る許可・認定も行います。

廃棄物処理法で定める政令市とは、地方自治法に基づく政令指定都市と中核市で、129自治体(R3.4.1現在)あります。

事業者の責務

廃棄物処理法制定時、事業者に対する廃棄物処理責任が明確に規定されました。

第三条(事業者の責務)

事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

2 事業者は、廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、製品・容器等が廃棄物となった場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないようにしなければならない。

3 事業者は、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

適正に処理するとは、排出した産業廃棄物の発生から最終処分の終了までを指します。

産業廃棄物の処理の流れ

原則排出事業者自ら処理処理基準を遵守
処理を他社に委託許可必要な許可を有する者に委託
契約事前に処理委託契約を締結する
マニフェスト都度マニフェスト(管理票)を発行すること

まとめ

廃棄物処理法では、国・地方公共団体・事業者のそれぞれに明確な責務が課されています。特に事業者は、自らの事業活動に伴って生じた廃棄物について、発生から最終処分が終了するまで一貫して責任を負うことになります。適正な処理を行うためには、処理業者の許可確認、委託契約の締結、マニフェストの発行といった一連の流れを確実に実行することが重要です。

参考情報

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第3条、第4条