排出事業者とは?わかりやすく解説

2026.06.23
廃棄物処理法 排出事業者 建設工事 多量排出事業者

今回は、廃棄物処理法における「排出事業者」についてご説明します。排出事業者とは、事業活動にともなって廃棄物を排出した事業者のことを指します。

排出事業者とは

排出事業者は、実際に廃棄物を排出する業務を行っている者とされています。

OEM生産での製造者と販売者

OEM生産の場合、廃棄物は製造者が製造する過程で発生しますが、ブランド自体は販売者のものになります。原則として排出事業者は製造者です。ただし、製造に必要な材料等を販売者が提供し、余った材料や端材等の所有権が販売者にある場合は、廃棄の決定権を持つ販売者が排出事業者となります。

食品メーカーと倉庫業者の例

倉庫業者が提供する倉庫内で食品メーカーが商品を保管し、賞味期限切れとなった場合、所有権を持つ者、廃棄の判断をする者が排出事業者として処理責任を負います。

下取り

新しい商品を販売する際、同種の製品で使用済みのものを無償で引き取ることを「下取り」といいます。以下の4つの要件を満たせば、例外的に許可なしで行うことができます。

  1. 新しい商品を販売する際に引き取ること
  2. 引き取る製品は、販売する製品と同種の製品で使用済みであること
  3. 商習慣として行われていること
  4. 引き取りは無償で行われること

下取り後に廃棄物となった場合は、下取りを行った事業者が排出事業者となり、適正に処理しなければなりません。ただし、下取りのさらに下取りは認められていません。

建設工事の排出事業者

平成22年の法改正により、建設工事に伴って排出される産業廃棄物の排出事業者は元請事業者と明確に定められました。建設業は重層下請構造であるため、法改正以前は廃棄物処理責任が曖昧でした。

多量排出事業者

事業者
年間1,000t以上排出排出事業所の1%弱全体の60%

多量排出事業者とは、年間1,000トン以上(特別管理産業廃棄物は50トン以上)排出する事業者をいいます。事業所ごとに産業廃棄物の減量等に関する処理計画を都道府県知事等へ提出する義務があります(法第12条第9項等)。

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物は別々に処理計画等を提出する必要があります。

[図: 多量排出事業者の処理計画フロー]

発生量とは、廃棄物の処理として操作を加えない時点での量を指します。多量排出事業者は6月30日までに都道府県又は政令市へ廃棄物処理計画書を提出し、翌年6月30日までに実施状況報告書を提出します。提出を怠った場合は20万円以下の過料となります。

排出事業者の単位

事業者とは、法人、個人事業主、事業を営む任意団体を含みます。グループ会社や親子会社の関係でも法人格が異なれば別の事業所とされます。同じ敷地内にグループ会社が複数ある場合、原則として法人ごとに契約を分けなければなりません。ただし、同一法人であれば複数の事業場をまとめて1つの契約書で委託することができます。

マニフェストの例外

マニフェストの交付については、以下のような特例があります。集荷場所を提供している事業者が、事業者の依頼を受けて自らの名義でマニフェストの交付等の事務を行っても差し支えありません。

  1. 農業協同組合等が農業者の排出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合
  2. ビル管理者等がビル賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合
  3. 自動車ディーラーが顧客である事業者の使用済自動車の集荷場所を提供する場合

親子会社間の自ら処理の設定

平成29年の法改正により、親子会社間の自ら処理の認定制度が創設されました。グループ企業間で処理を行う場合、認定を受けることによって処理業許可が不要となる場合があります。

100%子会社又はそれと同様の親子関係一体的な経営を行う2以上の事業者であること。100%の株式を保有/同等の親子関係であることを満たす
グループ企業のうち少なくとも1社は業許可が必要な処理を行っている業許可が必要となる程度の処理を行っていること
認定を受けるための申請複数の都道府県政令市にまたがる場合、すべての自治体から認定を受ける必要

まとめ

排出事業者の特定は廃棄物処理の第一歩です。OEM生産や建設工事など、ケースによって排出事業者が異なる場合がありますので、注意が必要です。特に多量排出事業者に該当する場合は、処理計画の策定・提出などの義務が生じますので、該当するかどうかを確認しておきましょう。

参考情報

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条