FAQ:事業者の特定に関する疑問を解決

2026.06.23
廃棄物処理法 FAQ 事業者の特定 排出事業者

今回は、廃棄物処理法における「事業者の特定」に関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。排出事業者は誰なのか、正しく特定することが適正処理の第一歩です。

事業者の特定に関するFAQ

建設業の事業者と発注者の責務

Q建設廃棄物の処理責任は元請業者にあるが、発注者が事業者になることは可能か?
A不可能です。法は建設工事に伴う廃棄物の事業者を元請業者と明確に定めています。ただし、建設工事でない事業活動に伴う廃棄物の事業者には発注者が該当する場合があります。

建設工事発注者の責務

  1. 残置物をあらかじめ適正に処理しておくこと
  2. 設計図書に廃棄物の処理方法等を明示すること
  3. 廃棄物の発生抑制・再生利用・再生資材活用を推進すること
  4. 適正な処理費を計上すること
  5. 廃棄物処理計画書を元請業者から提出させること
  6. 工事中、適正な処理が行われているか注意すること
  7. 工事終了後、元請業者に報告させ確認すること
  8. 建設リサイクル法に従うこと

下請業者による自ら保管と処理委託

Q下請業者に建設廃棄物の保管や処理委託を行わせてよいか?
A法では下請業者を事業者と見なす旨が規定されていますが、これは元請業者を事業者としないことを容認するものではありません。下請業者による不適正処理が行われた場合、元請業者も措置命令の対象となりえます。
Q下請業者が建設廃棄物を運搬する場合、許可が必要か?
A一定の要件(請負代金500万円以下、特別管理以外、運搬量1m³以下等)を全て満たせば、下請業者を事業者と見なし「自ら運搬」として許可不要です。ただし、該当することは稀で、都道府県によっては消極的なところもあります。

清掃廃棄物の事業者

Q清掃業者に清掃してもらった場合の廃棄物の事業者は清掃業者か?
A清掃業者ではなく、建築物・事業場の設置者又は管理者が該当します。清掃業者は廃棄物を集積させるだけに過ぎません。ただし、洗浄廃液は清掃業者が持ち込んだ洗剤と汚れが混ざって発生するため、清掃業者も排出事業者になりえます。

下取り行為

Q廃棄物の下取り行為とは何か?
A新しい製品を販売する際に商慣習として同種の使用済み製品を無償で引き取ることをいいます。下取り行為者は産業廃棄物収集運搬業の許可を要しません(「自ら運搬」)。ただし、下取り行為者が第三者に回収させる場合は、第三者は許可が必要です。下取りのさらに下取りは認められていません。

不要な余剰品の事業者

Q倉庫で預かっていた荷物を廃棄するよう荷主から指示された。事業者は荷主か?
Aそのとおり、荷主が事業者に該当します。倉庫業者は荷主が支配・管理する荷物を預かっていただけに過ぎません。
Q新築現場で余った生コンを廃棄する場合の事業者は?
A元請業者が購入した生コンが余ったものであれば元請業者。実際に使用した分だけ購入する取り決めの場合は、生コン製造・販売業者が事業者に該当します。

不要なリース物品の事業者

Qリースアップした物品を廃棄する場合の事業者はリース業者か?
Aそのとおり、リース業者が事業者に該当します。契約終了後もユーザーが使用し続ける場合はユーザーが事業者になります。

同一敷地内の企業群

Q同一敷地内に複数の企業が入っている場合、一の企業が代表して事業者になれるか?
A不可能です。各企業がそれぞれ自ら排出した産業廃棄物の事業者になる必要があります。処理委託契約も各社の名義で締結しなければなりません。ただし、一の契約書に複数の企業を列記・押印することは問題ないとされています。

マニフェストの交付代行

Qビル管理者がテナントの産業廃棄物についてマニフェストを一括交付できるか?
A基本的には各テナントが交付する必要があります。ただし、集荷場所を提供している実態があり、適正な回収・処理システムが確立している場合は、事業者の依頼を受けて土地提供者が自らの名義でマニフェストの交付を行ってもよいとされています。なお、処理委託契約は原則どおり事業者が自らの名義で締結しなければなりません。

処理委託の契約

Q収集運搬用と処分用の契約書は別々に作成しなければならないか?三者契約は違反か?
A法令上、直ちに問題があるとはいえませんが、三者契約を肯定する許可権者は皆無です。主務官庁の様式例としては収集運搬用・処分用・収集運搬及び処分用の3種しかなく、三者契約は避けた方がよいとされています。

マニフェストの運用

Qマニフェストは運搬車ごとに交付する必要があるか?
A通常は運搬車ごとに交付する必要がありますが、複数の運搬車に対して同時に引き渡し、運搬先が同一の場合は1回の引渡しとしてマニフェストを交付して差し支えありません。
Q交付したマニフェストに誤りがあった。交付し直してもよいか?
A処理が進行している場合は交付し直すことはできません。「交付済みマニフェストの内容訂正」を行わなければなりません。誤った内容の欄に、法令上本来記載すべき者が訂正を行います。

現地確認の根拠

Q委託先の現地確認をしないと違反になるか?
A法において現地確認が明確に規定されているわけではありませんが、「処理の状況に関する確認」を行い「必要な措置」を講ずる注意義務が規定されており、現地確認はこれに含まれると考えられています。注意義務は努力義務のため罰則はありませんが、不適正処理が行われた場合、事業者は措置命令の対象となりうることに注意が必要です。

欠格要件

Q欠格要件とは何か?
A適正な廃棄物処理業等の遂行を期待できない者を類型化し排除するための要件です。法人の場合は法人そのものと役員等が、個人の場合は事業主が該当すると許可されない、又は許可が取り消されます。

まとめ

排出事業者の特定は、廃棄物処理法の適用において極めて重要です。建設工事では元請業者、清掃では建物の設置者・管理者、リース物品ではリース業者など、ケースごとに事業者が異なります。また、同一敷地内の複数企業はそれぞれが事業者となる必要があり、処理委託契約も各社の名義で締結しなければなりません。正しく事業者を特定し、適正な処理を心がけましょう。

参考情報

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 各条
環境省各種通知・通達