今回は、自動車リサイクル法に基づく破砕業について、許可基準や実務上のポイントを詳しく解説します。
破砕業とは、解体自動車の破砕及び破砕前処理(圧縮又はせん断)を行う事業を指します。
破砕前処理とは「解体自動車(使用済自動車から主要な部品を分離した後の廃車ガラ)をプレス機、ニブラやギロチンを用いてプレス又はせん断作業を行うこと」をいいます。
| 破砕前処理 | |
| 破砕処理 | |
| 破砕前処理および破砕処理 |
| 囲いの設置 | 外部からの人の侵入防止 |
| 保管区域の明確化 |
| 破砕前処理施設 | 廃棄物が飛散し、流出し、並びに騒音及び振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置が講じられた施設であることが必要です |
| 破砕施設 | 生活環境保全上支障がない形で解体自動車の破砕を行うことが可能な施設を有していることを担保します |
| 自動車破砕残さ(シュレッダーダスト)の保管施設 | 汚水の外部への流出及び地下浸透を防止し、自動車破砕残さの飛散・流出を防止する必要があります |
| 圧縮(プレス)又はせん断した後の解体自動車を保管するための施設 | 外部からの人の侵入防止及び保管区域の明確化のため、囲いの設置が必要です |
標準作業書を常備し、従事者に周知する必要があります。これにより、環境保全上及び資源の有効利用上必要な配慮を払い、破砕業を的確に実施する能力を有することを判断します。
事業の継続性を確認するために必要です。
法第69条第1項第2号に適合する(法第62条第1項第2号に該当しない)ことが求められます。
再資源化を行う時は「破砕業者による解体自動車の再資源化を促進するための破砕前処理に関する基準」に従います(法第18条第1項)。
| 破砕前処理に関する基準(規則第14条) | 破砕施設等での再資源化を阻害するおそれがある生活ゴミ等解体自動車以外のものの混入を防止し、解体自動車の再資源化を促進します |
| 破砕に関する基準(規則第16条) | 有用な金属及び自動車破砕残さ(シュレッダーダスト)の再資源化を促進します |
解体自動車の破砕に用いられる施設は、通常1日当たりの処理能力が5トン以上の規模となるため、廃棄物処理法に基づき都道府県知事等の許可が必要な産業廃棄物処理施設に該当します。
一方、1日当たりの処理能力が5トン未満の場合は、廃棄物処理法第15条第1項に基づく都道府県知事の許可は必要とされませんが、処理基準を遵守できるよう、廃棄物の飛散・流出、悪臭・騒音・振動の発生等の生活環境保全上の支障が生じないような措置を講じた施設であることが必要です。
以下の要件を満たし、十分な容量を持つ自動車破砕残さの保管施設を有する必要があります。
| 一 | 汚水の地下浸透を防止するため、床面は鉄筋コンクリートで舗装され又はこれと同等以上の効果を有する措置が講じられていること |
|---|---|
| 二 | 自動車破砕残さ自体から汚水が生じ、外部に流出するおそれがある場合には、公共の水域の汚染を防止することができる十分な処理能力を有する排水処理施設及びこれに接続された排水溝が設けられていること |
| 三 | 屋根、覆いその他雨水が自動車破砕残さにかからないようにするための設備を有すること |
| 四 | 自動車破砕残さが飛散又は流出することを防止するため、側壁その他の設備を有すること |
| 1 | 車を引き取り、車台番号を確認します(法第17条、法第81条第10項) |
|---|---|
| 2 | 移動報告担当者は、引取報告をします(引き取った日から3日以内)(法第18条第1項) |
| 3 | 基準に従ってプレス・せん断処理をします(施行規則第14条) |
| 4 | プレス・せん断処理後の解体自動車を次工程に引き渡します(法第18条第2項、法第81条第11項) |
| 5 | 移動報告担当者は、引渡報告をします(引渡した日から3日以内) |
役割1から役割3までは30日以内に実施する必要があります。
自動車リサイクル破砕業は、解体自動車から有用な金属を回収し再資源化を推進する重要な役割を担っています。施設基準や標準作業書の整備に加えて、特に5トン以上の破砕施設については廃棄物処理法の許可も必要となるため、事前に関係機関に十分ご相談ください。
参考情報
経済産業省「破砕業に係る許可基準等について」: https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/jidosha_wg/pdf/g30522b045j.pdf
本記事の内容は2026年6月時点の情報です。最新の手続きについては各自治体の窓口でご確認ください。