今回は、自動車リサイクル法に基づくフロン類回収業について、回収作業の流れや関係法令を詳しく解説します。
引取業者から使用済自動車を引き取った後、フロン類を回収する者として法律で定められた事業者です。フロン類回収業者でなければ使用済自動車からフロン類を回収することはできません。自治体への登録と自動車リサイクルシステムへの事業者登録が必要です。
| ボンベ・回収機の取扱い | 回収機の取扱説明書を確認の上作業すること |
| 高圧ガス保安法で定める検査に合格したボンベを使用し、検査期限切れボンベを使用しないこと | |
| 定期的に回収機のメンテナンスを行うこと | |
| 充てんするフロン類の名称を明記すること | |
| ボンベの刻印が判別できるようにしておくこと | |
| バルブ等からの漏れ、バルブのゆるみ・変形等がないことを常に確認すること | |
| 過充てん防止機能を確認すること | |
| 回収作業を行っていないときはバルブをしっかり閉め、密封すること | |
| 直射日光を避け40℃以下の場所で作業・保管すること | |
| 上限重量を超えてボンベにフロン類を充てんしないこと | |
| 回収時 | 回収基準に従うこと |
| 高圧ガス保安法で定める上限重量を超えてボンベにフロン類を充てんしないこと | |
| 異なるフロン類種別を同ボンベに回収・充てんしないこと | |
| 異なる事業所コードのフロン類を同ボンベに回収・充てんしないこと | |
| 過充てん防止機能を使用すること | |
| 移充てんをしないこと | |
| ボンベ専用ケースの取扱い | ひきずらないこと |
| フォークリフト等でぶつけないこと | |
| オイル等で汚さないこと(汚れたら拭取ってから引渡す) | |
| ボンベの引渡し・運搬時 | 引取基準に従うこと |
| 運搬基準に従うこと | |
| 登録した事業所と同じ事業所でボンベを引き渡すこと | |
| 間違ったボンベを引き渡さないために、ボンベの引渡し・引取りのときには必ず立ち会うこと | |
| 引渡しのときは、ボンベと伝票に記載されたボンベ番号が正しいことを確認すること | |
| ボンベを複数本引渡すときは、伝票と現物のボンベ番号を合わせること |
| 法で定める上限重量を超えてボンベにフロン類を充てんしないこと |
| 法で定める検査に合格し、かつ充てんするフロン類の刻印があるボンベを使用すること |
| CFC(R12)、HFC(R134a)、その他のガスを同一ボンベ内に充てんしないこと |
自動車リサイクル法(法第12条/施行規則第6条)で定められている回収に関する基準に従って、フロン類をCFCとHFCに分けて所定のボンベに回収する必要があります。
フロン類の回収に関する基準
フロン類およびフロン類の回収方法について十分な知見を有する者が、フロン類の回収を自ら行い、またはフロン類の回収に立ち会うこと。
特定エアコンディショナーの冷媒回収口における圧力の値が、一定時間を経過した後、以下の圧力以下になるよう吸引すること(=二度引き)。
| フロン類の充てん量 | 圧力 |
|---|---|
| 2kg未満 | 0.1MPa以下 |
| 2kg以上 | 0.09MPa以下 |
フロン類が充てんされたボンベの内部は非常に高い圧力がかかっており、ボンベ上限重量を超えて過充てんされたボンベは、その圧力に耐えきれず破断する可能性があり大変危険です。高圧ガス保安法では、過充てん防止機能を有する機器を使用することが規定されており、違反した場合は罰則(6ヶ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金)が適用されます。
ボンベには内容積が表示されており、この内容積とフロン類の種別による充てん定数に応じて上限重量が決まります。
| 種別 | 充てん定数 |
|---|---|
| CFC(R12) | 0.86 |
| HFC(R134a) | 0.95 |
| 1 | 装備を確認する(フロン類の有無・種別) | 使用済自動車を引き取ったら、フロン類の有無、種別を実車で確認する | |
|---|---|---|---|
| 2 | 使用済自動車の引取報告をする | 実車の装備と引渡報告された装備の情報が正しいことを確認して引取報告する | |
| 3 | 一連作業の繰り返し | フロン類を回収する | 必ず過充てん防止機能を使用して回収する |
| 4 | 10分程度放置する | 一度目の回収が終了したら、漏れ防止バルブを閉めた上で10分程度放置する | |
| 5 | フロン類を再び回収する(二度引き) | 10分程度経過したら二度目の回収を行う | |
| 6 | フロン類の回収を完了する | 二度引きが完了し車両側の圧力が大気圧以下になったら完了 | |
| 7 | 電子マニフェストシステムで都度入力する | 回収し終わった車両は都度入力する | |
| 8 | ボンベが満タンか確認する | 重量計でこまめに確認して過充てんを防止する | |
| ボンベが満タンになった場合 | |||
| 9 | パージ(リフレッシュ)作業 | 回収機等に残ったフロン類を全てボンベに移す | |
| 10 | 漏れ防止キャップを装着する | 速やかに漏れ防止キャップを取り付ける | |
| 11 | ボンベ専用ケースに梱包する | 満タンになったボンベは専用ケースに梱包する | |
| 12 | 電子マニフェストシステムで集荷依頼をする | 満タンになったボンベの集荷依頼を行う | |
| 13 | ボンベを引渡す | 立ち会いのもと引き渡す | |
| 14 | 電子マニフェストシステムで引渡報告をする | 速やかに引渡報告を行う | |
必ず10分程度放置した上で二度引きを実施することで、20~50g程度のフロン類を追加回収できる可能性があります。
フロン類回収業は、使用済自動車からフロン類を適正に回収し、オゾン層保護と地球温暖化防止に貢献する重要な役割を担っています。高圧ガス保安法やフロン排出抑制法など関連法令を十分に理解し、過充てん防止や二度引きなどの基準を遵守した適正な回収作業を徹底してください。
参考情報
環境省「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 運用の手引き」: https://www.env.go.jp/earth/furon/files/r03_tebiki_operator_rev3.pdf
e-Gov「第二種特定製品が搭載されている自動車の整備の際のフロン類の回収及び運搬に関する基準を定める省令」: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416M60001c00001
本記事の内容は2026年6月時点の情報です。最新の手続きについては各自治体の窓口でご確認ください。